LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2013.04.17

協創の現場から人材戦略・人材開発

マネジャーのキャリア開発 第2回

『できること』だけをやらせない~若手管理職のキャリア開発

 

 

管理職として「賞味期限」を切らさずに、社内で存在価値を高め続けるためには…。管理職のキャリア支援をライフワークにする、弊社代表取締役・臼井弥生が、タイプ別にそのポイントについて語ります。

第2回目は「若手管理職のキャリア開発」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

-社内で成果をあげきれない2タイプの管理職のもう1タイプは、会社の取り組む方向性もわかるし、必要なこと・やるべきこともよく理解しているがうまくできない「頭でっかちタイプ」とのことでした。原因はどこにあるのでしょうか…

「会社から期待される優先順位」と「自分の行動の優先順位」が乖離

 課題達成・人材育成・自分自身のスキル啓発、足元だけでなく将来も…管理職としてやるべきことは理解しているし、頑張ってやっているつもりなのに、なかなか評価されない…。仕事はできるけれども、その器用さゆえに「部長」になりたくとも、気づくと「部長秘書」的な役割になってしまっている…。

 このような方は、「自分がわかること」「自分でできること」からしかやっていない可能性があります。「すべきこと」が間違っているのではなく、「力の入れどころ」…すなわち「会社から期待される優先順位」と「自分の行動の優先順位」が合っていないのです。

 例えば、部下ができる範囲の管理・調整の仕事を管理職の方がやってしまっている…など。私たちはお客さまの社員のキャリア設定とその後のフォロー面談のお手伝いをしていますが、「何に力を入れていますか」「部下の方にコミュニケーションをとっていますか」と一つひとつ伺っていくと、「必ずしも自分でやらなくてもいいこと」に大きく時間を割かれている状況が見えてきます。

 

-会社と本人の「優先順位」をフィットさせていく上で、どのようなキャリア支援のコミュニケーションを取るのが効果的なのでしょうか?

自分一人で解決しようとするから壁にぶつかる。結果を出す行動の鍵は「ネットワーク」

 彼らは「自分で結果を出す」行動パターンを得意とします。自分で勉強して、自分で努力して…。これは一見良さそうに見えるのですが、自分一人で解決しようとするから壁にぶつかる。この学習スタイル・行動パターンを変える必要があるのです。

 このような場合、特に私が気にかけるのが、その方の持つ情報収集や問題解決のためのネットワークです。「困った時や、何か始めたい時、誰に相談しますか?」と質問すると、「自分で書籍やネットで情報収集して考える」「直属の上司に相談する」などパターンが固定化されていることがほとんどです。でも、現状起こっている品質クレームを解決したいのか、新規案件についてのアイディアを欲しいのかによって、相談するのにふさわしい人は違いますよね。

 上司はスーパーマンではありません。自分なりのネットワークを持ち、目的に合わせて相談先や組み方を変えることができるようになると、目に見える形で結果が変わってきます。

 

 

 

 

 

―新たにネットワークを開拓するのは、それなりの時間と労力がかかります。

社内の上司・先輩・部下を「リソース」として捉え直す

 

 「ネットワーク」というと社外に築くものというイメージがありますが、まずは社内に「ネットワーク」を築くことをお勧めします。言葉は悪いですが、たとえば一見ぱっとしない上司や先輩、部下にも専門領域に突出している人がいる。これを色眼鏡で見ないで、自分にとって何を学べる・相談できる「リソース」なのか捉え直すことが大切です。

 若手管理職のBさんは、ご自分の商社での業務経験・知識を活かして、将来的には海外拠点での経営を担いたいとの夢を持っていらっしゃいました。しかし営業の経験が中心で、会社の業務プロセス全体を見る視点が不足しているように感じました。そこで「将来的に経営を担いたいのであれば、現場を徹底的に見て会社全体の業務プロセスを学びましょうよ。どこに自社の収益の源泉があり、どこにボトルネックがあるのか…。その分野に精通した人から学ぶといいですよ」とアドバイスしました。その時はそれほどピンと来ていなかったようですが、たまたまその後社内で異動に伴う大規模な担当の見直しがあり、一番大変だといわれている業務を、現場に精通しているもののあまり社内では目立たない先輩に教えてもらいながら担う機会があったそうです。

 この機会を通じて「何年も同じ職場にいて『お客さまから好かれる、いい先輩だな~』とは思っていましたが、業務を教えてもらいながら自分がやってみて、その複雑さ・大変さ、その方が何故お客さまから信頼されているかがよくわかりました。これまで私は何もその方についてわかっていなかったと気づきました。今回の機会を通じて、将来的に経営をしていく上で、営業から製造までトータルで捉えられるようになり、だからこそいろいろわからないこと、知りたいことも出てきました」という言葉を聴いて、良かったと思いました。

 

 意に染まない異動や環境の変化はよくあることですが、もう一度自分をセットしなおし、今まで気づかなかった「リソース」に出会うチャンスとすることはいくらでも可能なのです。

 

※最終回は、経営者のキャリア開発についてお届けします。

 

聞き手:北島 藍子

この記事の執筆者

臼井 弥生

代表取締役社長