LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2017.08.09

協創の現場から人材戦略・人材開発

人事制度は何から考える?

私たちは「組織診断」をはじめ様々な形で、社員の方から直接現状の組織状況についてのお話を伺うことが多くありますが、その中でよく伺うことの一つが「人事評価」についての不満です。

そこから人事制度の見直しについて相談を受けることも多いのですが、評価の納得感や公平性など、現状に対しての不満が明確で、改善したいという意識が強い場合、往々にして「社員が不満に感じているところ」に焦点を当て、それを改良するという発想になりやすいように感じています。

もちろん、不満があって改善すること自体に問題はありませんが、その場合、対処療法的すぎて目指す成果領域が狭くなってしまいがちなことがあります。

私たちは、人事制度が及ぼす影響や可能性は大きなものがあり、人材育成はもちろん、風土変革、戦略推進など組織を変えていく上で効果性の高いツールであると考えています。

ですから、私たちがお手伝いする際は、詳細な検討に入る前にプロジェクトメンバーの方々と一緒に、人事制度を取り巻く諸制度を含めた全体像を確認することからはじめます。

現状の不満解消に主眼をおくのではなく、「会社が目指す企業像に近づく人事制度」であるという捉え方をしてもらうためです。

そして、スタート時に検討することのもう一つが「今必要な人材を評価するのか」「将来必要とする人材を評価するか」のバランスです。

現状の仕事で成果をあげられる、能力が高いとみなしている社員は、成長変化を続ける会社の中で、常に高いパフォーマンスを維持できるとは限らないからです。
特に、戦略転換期の会社、統合を重ねた会社はこの検討が欠かせないものとなります。

これらは会社としてのメッセージを明確にする作業とイコールであり、人事制度の評価基準をつくる上での重要なポイントですが、非常に難しいことでもあります。

そこで具体的に認識を合わせるために、私たちは「人材像」を考えることからはじめることをおすすめしています。

どのような人材を評価するのか、という前に、どのような人材が今後自社の成長・発展において必要となるのか。
将来を基準に考えた時に、これまで同様に求められる自社ならではのベースの考え方や行動は何か。
新たに求められるものは何か。

これらを明らかにすることで、人事制度のみならず教育体系などへの連動もしやすくなります。

先日、会社としての将来ビジョンを刷新した会社にて、人材像をつくる機会がありました。

プロジェクトでは、これまで大事にしていた自社らしさ、目指す将来ビジョンに必要な要素、現状変えたいのに変えられていないことという観点からメンバーで検討を進めました。

「これまで大事にしてきた『真摯さ』や『相手を立てる気持ち』はこれまで同様大事にしていきたい」

「でも、新たな成長を描いていく上では、スピードが伴わないし遠慮や受け身になってしまうこともある」

「これからは自分で『決める』ことや『間違うことを恐れずまず行動してみる』ことを大事にしたい。結果はこれまで同様『真摯』に受け止め改善していけばよい」

など率直な議論を重ね、最終的にメンバーの納得度の高い人材像を描くことができました。

人事制度を考える際には、先ず自分達の会社の人材像が明確であるか、この先も目指し続ける意義のあるものになっているか、という確認からはじめてみてはいかがでしょうか。


↓人事制度の「運用」についてはコチラ
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「効果性を高める「人事制度」の運用とは?」
/news-i/backnumber/48/207.html
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杉岡 篤樹

この記事の執筆者

杉岡 篤樹

コンサルタント
専門分野:人材戦略