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リーダーのためのブログ

2017.05.31

協創の現場から人材戦略・人材開発

らしさを失わない採用活動

 新卒採用活動のターニングポイントを迎えている人事担当者の方が多いのではないでしょうか。

 2017年度に入り、採用市場では新卒求人倍率が上昇しているというニュースが駆け巡り、「人を採用したくても会えない・採れない」という悩みを、自社の採用活動も担当している私自身、痛切に感じます。 

 買い手市場だった昔と、売り手市場となった現在を知る私にとって採用市場とは、大きな変化を感じる場です。特に私自身が感じる大きな変化は、以前のように学生一人ひとりの接触時間を増やして、働く人の魅力を深く伝えることができにくくなった点です。

 いわゆる、「面接工数の削減」であり、昨今では、面接2回目で内定承諾を出さないと志望意欲が下がるとのこと。 当然、結果が出なければ、採用活動は時代に合わせて柔軟に変えねばなりません。

 ただし、小手先の手法論を変えるよりも、まずは「変えたくないもの」をハッキリさせた方が、学生への採用姿勢が積極的に伝わると感じます。

 少し前の話になりますが、先日、パートナー会社さまのご依頼を受けて、採用担当者向けセミナーを複数回開催させていただきました。テーマは「お金をかけずに、魅力で惹き込む新卒採用活動」というもの。

 近年、採用活動には当然コストがかかるものの、どの会社も横並びで同じような採用手法に投資した結果、無意識に代わり映えしない採用活動になってしまっていないでしょうか。 

 肉声を通した現実的・直接的なコミュニケーションは減っていないか?
 マスでなく個別に合わせた接し方・関係づくりは少なくなっていないか?
 我々自身が最も映える・最もらしさが伝わる方法は、他にあるのではないか?
 むしろ、我々は従来大切にしてきたことを復活させた方が入社後の育成にもインパクトが残せるのではないか?

 そのような想いをセミナーを通じて話させていただきました。 

 セミナー後、第一線のベテラン採用担当者から聴いた声は、以下の通りでした。

「近年、志望者が集まらないと焦っていたが、採用活動はやみくもに採るだけでなく、やはり志望学生を育てる活動でもある。入社後に部下になることを想定して、採用過程における本人の成長を促すくらいの指導を忘れかけていた」

「学生の志望意欲を下げないために、選考で早く判定を下すことばかり考えていた。そもそも選考過程で相手を真剣に分かろうという姿勢を見失っていた。昔、自社で行っていたように、正直に評価が下せない場合は、再度どのような点について分かりたいか伝えて、面接し直しても良いではないか。それで断られたら、それも縁である」

「業界ナンバー1と誇れる実績や、福利厚生・労働条件が良くないと、ウチのような小さな会社は見向きもされず、魅力を持ってくれないと勘違いしていた。最大の魅力は、伝える自分たちにある。不器用でも良いし、担当者それぞれの主観で良いので、仕事や会社に今注いでいる情熱を素直に伝えれば良い」

 参加者の声に共通していたことは、「変えたくないものは確かにある」という率直な想いだったように感じます。思いがけない変化や結果を目の当たりにすると、我々には「本当は変えたくなかった」「この部分にこだわりたかった」という想いが明らかになります。 

 その現状に対する些細な抵抗感の中に、他社にはないウチらしさがあるはずです。

 私自身は、会社や仕事をどのように捉えているかの根底にある価値観を伝えること。採用活動以上に、入社後に待っている現実の就業内容に対する、やりがいや情熱、誇りを感じてもらえること。そして様々なやりとりを通して、人としての内面に深く向かい合うことを大切にしていきたいと考えています。

 

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「見られてます“第二印象”」
/news-i/backnumber/55/1005.html
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馬場 英博

この記事の執筆者

馬場 英博

コンサルタント
専門分野:人材育成