LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2017.08.30

上位概念・組織開発協創の現場から

数値目標の落とし穴

先日、「全国学力テスト」の結果が公表され、10年前と比較して上位と下位の差が縮まるなど、全体としては学力の底上げが図られていると報じられました。

ニュースでは、あわせて、近年の各地での行き過ぎたテスト対策が問題となっていたことから、文部科学省が、それまで小数点以下の詳細数値まで公表していた正答率を「整数レベル」にとどめ、都道府県ごとの順位がハッキリとわからないように変更したということも報じられていました。

ここで述べるまでもなく、テストの本来的なねらいは「学力の現状を把握し、結果を教育現場での指導に役立て、学力向上を図ること」だと思います。

実際、県によっては上位ランキング圏内の学校へ、指導方法をベンチマーキングに行くなど指導改善を図るための活動を行っているとのこと。過去問対策中心のツメコミ指導をやめさせるために結果を曖昧にするというのでは、お粗末だなあという感が否めません。

数値結果のみの目標設定はわかりやすい一方で、時にそういった事象を生みやすいものです。

コンプライアンス意識調査や職場風土調査など、企業内で実施する各種アンケートも、ややもすると、職場内でこのような「本来の実施目的から外れた、数値向上マネジメント」が行われてしまう危険性をはらんでいます。「良い結果が出るような回答をしなさい」という暗黙の雰囲気や恣意的な説明など、絶対に起こらないとは言いきれません。

マイナスの行動を生むということまで行かずとも、数値の高低に一喜一憂して終わってしまう。

本来の目的である社員の動機やモチベーションに繋がらず、ノルマ的な理解や「やらされ感」止まりで、数値の中に含まれている思いや強化したいこと、目指したい状態などの共有に至らない。
あるいは、その数値を実現するという過程において、自分達の思考や取り組みが生み出す様々な価値が共通認識されない…などということも起こりがちです。

下期を前に、様々な観点からの検証を行う時期が来ています。
次につながる視点を見出すような、良い振り返りをしていきたいものです。

↓アンケートの活かし方についてはコチラ
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「調査・診断結果を活かすのは誰?」
/news-i/backnumber/sosikihenkaku/144.html
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立石 裕美

この記事の執筆者

立石 裕美

チーフコンサルタント
専門分野:組織変革・人材育成