LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2017.03.09

協創の現場からインナーブランディング

はじまりは、当事者たちのブランディング

 自分が住んでいる区のブランド活動に参加しました。 

 結婚後に勤務地からの利便性でこの地に住むことになり10数年。住みやすい街だとは思っていましたが、都心からは離れ、それほどここの住人であることに愛着や誇りを感じることはありませんでした。

 その街が、「開かれた区政」を誓うとともに、「街のイメージアップ」を図ろうと一念発起し、大々的な広報プロジェクトを展開したのです。

 その目玉が区民総勢1200名の参加型のCM撮影でした。地域住民参加型のCMづくりは、九州新幹線開通CMや別府市の遊園地企画CMと近年増えており、さほど目新しいものではないかもしれません。

 ですが子供と一緒に一日CMづくりに参加してみて、私の中で新たな気持ちが芽生えたのです。

 事前に、CMで使用するために配られた葉っぱ型のカードに「未来になって欲しいこの街の姿」を書けば、この街の好きなところやこれからの期待をあらためて考える機会となりました。

 そして当日は、広告代理店とボランティアの区民の連携がよくとれ、感じのいい挨拶や声掛けでの誘導や進行。皆知らない人同士でしたが同じ目的観のもとに活動することで、何か一体感のようなものが生まれてきました。

 そして何より、「街のブランドの主役は住民である」というメッセージが嬉しく、自分の中にこれまでとは異なるこの街への新たな興味や愛着が生まれていったから不思議です。 

 

 そして、同じことが、先日の私どものお客さまの社員総会でも起きていました。 

 数社の経営統合から幾年か経ち、初めて社員が一堂に会した場でした。直後のアンケートではこのような声が寄せられました。

 「こんなにも大きな会社だったのだと驚いたと同時に、この会社に勤めていることに誇りを感じました」
 「会社の進むべき方向性を社員全員が共有出来たことがとてもよかった」

 “木を見て、森を見ず”、自分の職場(=木)だけでなく、この会社の全体(=森)に触れ、気づき、考えることで芽生えた自分の会社への愛着や期待が多くの社員から沸き起こった瞬間でした。

 この社員総会をきっかけにこれまでなかなか進まなかったプロジェクト活動が加速し、製販一体での活動も加速し、多くの社員の能動的な動きが始まっています。

 「そこにいる当事者たちが、自分の属する組織のブランドの一番の共鳴者(=ファン)であり浸透者であることが、ブランドづくりの第一歩である」。私たちが強く提唱していることです。ふとした日常の中で私自身があらためて体感し、その真実をより強く感じています。

 優れたブランドには、必ずその核には確固たるアイデンティティ(自己概念・精神・らしさ)が備わっています。 そのアイデンティティを育み、体現し、組織で商品・サービスを開発・展開するのは、そこにいる当事者たち(企業であれば社員)に他なりません。

 その当事者たちが自分たちのブランドを自覚し、「自分がそれをつくっているのだ」という実感と経験の積み重ねがブランドづくりのベースです。それは職場での挨拶であったり、お客さま視点での新たな行動であったり…どんなに小さなことでも大事な取り組みです。

 そのような一人ひとりの小さなブランドづくりを互いに「認め合う」ことがやがて大きなブランドを生む土壌となるのです。

 より魅力的な価値あるサービスや機能を世に出し続けたい、お客さまに提供し続けたい。 

 その策を講じる前に、すぐ目の前にいる一番のブランド浸透者・創造者たちはその自覚と意志を抱いているでしょうか?まずはそこから見つめていきましょう。
 

↓当事者たちの自覚と意志をどう育んでいくか?事例と共にお伝えしています
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「インターナルブランディングの悩み」
/news-i/backnumber/55/1175.html
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藤掛 里花

この記事の執筆者

藤掛 里花

チーフコンサルタント
専門分野:企業文化・組織変革