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リーダーのためのブログ

2015.10.27

朝礼講話のネタ帳

システム化の向こうに

  先日経営者と接した際に、管理職層が管理指標を分析できず、変化につながる兆候を読み取れなくて困っているという話になった。その経営者は、昔は営業部長として、様々なデータから本社に提出しなければならない資料を自ら作成していたため、何故この数値になったのかは分かるし、変化があれば必ずつかむことができたそうだ。それが、現在では仕事のシステム化が進み、従来手作りしていた管理指標の類も、帳票としてクリック一つで出力されるため、管理職は、その数値が持つ意味合いや重要性の感覚をうまくつかめず、月次の資料も見るだけで終わってしまうという。

 組織としての仕事を効率化していく上で、システム化を図ることは今となっては当たり前だが、システム化されることで、業務の本質的な理解を妨げることになるのでは、という懸念は昔からある。ただし、それはシステムが壊れた時に対応できるかといったもので、今回のように指標を作る過程で養われていた力については、あまり考えたことがなかった。

 どうすれば解決できるのだろうか。例えば、「昔の方がよかった」と手書きに戻してOJTする、というのは現実的ではない。むしろ生み出した知見を活用し、兆候を読み取って対策を考える力の開発に、労力を割いてもらったほうが良さそうである。

 私どもの別のお客さまでは、全社の管理精度を高めるために、一般社員も含めて、まずは一人ひとりが責任を持つ指標を一つ明らかにし、検証し向上させることをはじめた。例えば在庫、歩留、輸送についての細かな指標を設定し、何故その推移となっているのか原因を考え、対策を打つ。慣れ不慣れはあるが、一人が全ての管理指標に詳しくなることを待つより、チームで管理精度を高めていく、という面で効果的だと感じる。

 目的に効率的に到達することが、システム化や自動化の本来的な目的である。効率化して空いた時間を何に向けるべきなのか、そのためにどんな力を育んでほしいのか…。一人ひとりに対するそれらのデザインが、マネジャーに求められている。

 

杉岡 篤樹

この記事の執筆者

杉岡 篤樹

コンサルタント
専門分野:人材戦略