LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2018.01.10

エグゼクティブ・アイ

信じる心

  新しい年を迎えた。会社としての締めくくりは3月ではあるものの、新しい期を迎えるにあたっての1~3月は4月から現在に至るまでの検証と新たな方向性を思考するには丁度良いと毎年思う。

  4日の仕事始めは例年通り全員で神社へ出向きお祓いをしてもらう。年々参拝する会社と人が増えていることを実感する。事務所を移動させてから28年経つが、毎年欠かさず年始の参拝を行ってきた。昔は人もまばらで静けさの中で底冷えのする社殿にあがり厳粛な気持ちで祝詞をあげていただいていた。今は多数の会社を時刻通りに対処せねばならない状況となり、神社も様々な工夫をし、システム化されて円滑に運営されている。改善することは良いことではあるが、あまりにもシステム化されてしまうと、信じる心、信じたいと思う心がちょっと軽んじられているようで寂しい気もする。

 当日は大発会で、日経平均株価は大きく高騰した。株価が元気なことは良いことだけれど、これも日本の経済の実態、実力値と違うところでいつも左右され評価される状況に対して自国の在り方や見られ方ということを考えさせられてしまう。

 健康でありたい、自立したい、必要な存在でありたい、唯一無二の愛されるものでありたい…会社も人も思う心は一緒だと思う。そんな思いを思いだけでなく、機能やサービスやモノに変えて多くの企業は努力を重ねているということだ。

  けれども最近思うのは、内なる欲求から生まれる努力の積み重ねだけではどうにもならない世の中になってしまっているということだ。AI・IoT・AR・VRなど情報技術の革新は止まることなく私たちの社会生活そのものを変えていく。移動する・対面する・人が人に教えることなくして済んでしまうことが続々と起こる。

 日本を代表する企業であるトヨタ自動車も足元の業績は確保しながらも、「第三の創業」を掲げながら、猛烈な危機感の中で在り方そのものを変える努力を本格的に行っている。これまでの常識、自らの枠組みを超えるために自前主義を脱してスピード感ある取り組みを行っている。内なる欲求、自分たちの物の見方を超えるためには、自らを否定することも辞さない構えだ。そんな社会の変化を全面的に喜ばしいとは思えないが、この流れにいかに立ち向かうかを思考することは避けられない。

 アナログな世界、リアルな世界、そして多くの人びとが求めている安心や豊かさや感動といった心の世界、そういったことをこういう時代だからこそ忘れずにいたいと思う。神社に出向く人々の多さ、年始のテレビ視聴率は箱根駅伝が一番だったことはそういうことなのだと思う。懐古するのではなく、立ち向かう挑戦心と人間としての根源的な忘れてはならない心を両立させていく胆力が問われている。

 今年の一文字は「信」とした。新たなことに取り組んでいる時、前例にないことに挑戦している時、結果が出ない焦燥感が疑心や不信を生む。そういう時こそ遠くを見ながら、自分を信じる、仲間を信じる気持ちが大切だからだ。ぶれない「信」でこの一年取り組んでいこうと思う。

  新たな年が皆さまにとって良い一年となりますように。そして、本年もよろしくお願いいたします。

この記事の執筆者

臼井 弥生

代表取締役社長