LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2017.10.11

エグゼクティブ・アイ

見える化・言える化

 10月に入った。上期を検証し、年度方針・課題・目標を再確認し、下期に向けた共有機会が、お客さま内でもさまざまなスタイルで展開されている。

 お客さまの下期キックオフミーティングのお手伝いをさせていただく機会が多い中、私たちの会社でも、同様のイベントは恒例行事として実施されている。限られた人と時間であっても、見えている仕事の遂行に止まることなく、将来に繋がる機能やサービスの開発をどのように行うのかを全員で議論し、具体的な行動計画を策定している。

 現在職場には、その活動計画とそのプロセスをリアルタイムで確認するために、定量・定性情報の双方が「見える化」され、掲示されている。そのような活動を行っている中、先日、以前より私たちが提唱~実践していることと同様の考え方とアプローチで活動を展開している遠藤 功氏の話を聴く機会を得た。同氏は、コンサルタントであり、ビジネススクールの教授や大手企業の社外取締役も務めるという実践家である。私は、数年前に同氏の著作である「現場論」を読み、共感するとともに私たちがお客さまと協働しながら創造している現場を客観的に見てもらいたいと思った。

 当日の内容は、社員の能力や意欲を最大限に活かした現場経営のリアルな話を中心とした興味深いものであったが、その中で印象に残った言葉があった。それは、「言える化」である。ある成長企業の経営者の考え方を紹介してくれた話の中に出てきた言葉であった。

 風通しの良い社風を望む経営層や社員の声は多い。そういった意味での、情報発信や共有の機会を大切にしている会社も数多く存在する。風通しが良い状態とは、実際どういったものなのか。色々な情報がきちんと伝わり共有されていることなのか、それとも会社のこと・仕事のこと・自分のことなどを自由闊達に話し合える風土があることなのか。私は双方が整っていることが、風通しの良い状態であると思っている。

 その状態を創り上げる上で大切なキーワードが「言える化」である。その言える化の土台には、「心のつなぐ化」が必要であり、何でも自由に言えるような場をつくるためには、努力・工夫をしなければ、組織は「言えない化」に陥ると同氏は語っていた。

 そんなことは十分わかっていると思っている人は多いと思う。私もその一人である。けれども、同氏が示唆する通り、努力・工夫をしないとそれは実現しないのである。努力とは思考し行動を継続することであり、工夫とは言える場をきちんと創ることと、それを受け止める聴く相手が常に周囲にいるということであると思う。当たり前のことであるかもしれないが、その重要性に気づいていない人は多いのではないかと思う。言ってもちゃんと聴いてくれない、言っても何も変わらない、言ったら自分に押しつけられる、だから言わない、相手が言ってくれる結論(指示)を待つという逆のサイクルをつくってはいないか。今一度、自らの職場=現場を振り返ることが大事なのではないだろうか。

 実際に、様々なお客さま先で職場風土調査のインタビューを行う中で、発言はできるけれど異論を唱えることは難しい、本音で言えているかというと疑問という発言は多い。我々のような利害関係のない相手には、とても前向きで良い考えを持っている人材が、現実の職場でそれを言えているかというと疑問符がついてしまう。

「見える化」の環境は整った、そして「言える化」の環境は整っているか。この下期はそこを考え観察しながら臨もうと思う。「言える化」は言う人の心と聴く人の心がどうあるのかを知るところから始めなければならない。見えないものほど、見ることは難しいということを忘れずに、価値ある下期にしたいと思う。

臼井 弥生

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この記事の執筆者

臼井 弥生

代表取締役社長