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リーダーのためのブログ

2016.01.13

エグゼクティブ・アイ

エグゼクティブ・アイ021 襷

 新しい年となった。関東は穏やかな天候に恵まれたものの、私は年末から久しぶりに風邪をひき、悪化させぬようおとなしく静かに過ごす日々となった。

 そして、今年も新年の風物詩である箱根駅伝を観ていた。多くの人がそうであるように毎年観ていて色々なことを考えさせられる。昨年は駅伝のイメージとは程遠い青学の成長、原監督のマネジメントを学ばせてもらった。今年私の中で印象的だったのは襷(タスキ)の意味と価値だ。順位はもちろん重要だが、制限時間内に襷をリレーして完走できるかどうかが選手たちにとって大きな意味がある。リレーする仲間を目の前にして、あと10秒が足らず一斉スタートの号砲が鳴り、走り出す仲間の背中を目で追いかけながら泣き崩れる選手。坂道を駆け抜ける中、胸の痛みをこらえながら、幾度もよろめきながらも持ち直し、襷を渡すと同時に倒れこむ選手。今年のレース中でも、自前の襷を繋ぐことの価値の重さと戦う選手の姿に胸を打たれた。

 仕事においても、経営においても、人生においても襷リレーは存在する。リレーは、血脈による繋ぎ、知脈による繋ぎ、未知なる新たな縁脈による繋ぎもある。自前の襷でのリレーもあれば、襷の色が変わることもある。繋がれ方も多様な世の中になった。さて、私はどうするかと自問自答を繰り返す。

 近年、自分自身の仕事の重要課題として、きちんと襷を繋ぐということを意識している。襷は次の選手だけに向けたものではなく、チームに繋がねばならない。また、駅伝でも大学によっては連続出場記録を更新しているように、選手の揃え方や監督手腕によりある時期だけ強いというのではなく、安定してその力を保ち続けるリレーが大切だと思っている。

 そういった意味での人材育成は大切なことではあるが、我々がわかっていることを伝えること以上に、自ら考える~自ら生み出す~個人の足し算ではなく、組織力で勝るために必要なことを実践できる集団を創り上げることが重要だと思っている。

 駅伝の上位10校は来年の出場権を得て襷を繋いだ。他校では来年の出場権を目指した戦いが既に始まっている。結果は1年ごとに出るが、永続性という記録との戦いはこれからも続いていく。来年もどのような展開を見せてくれるのか楽しみである。

 さて、恒例の新たな1年に寄せた一文字だが、昨年は「転」とした。良き転機を自ら創ることを目標としたが、1年間その思いと行動は合致でき、かすかではあるが向こうに明るい世界が見えそうな気配を感じている。今年は、その1年を糧に開拓の「拓」とした。自らが扉を叩き、共に新たな歩を踏み出し新しい世界を拓きたいと思っている。

 強く思い、逞しく、あきらめずに頑張れば、何かしらは見えてくる。若い頃は苦手だった「継続は力なり」「努力」「誠意」の重要性を確信する齢となった。

 まずは強い思いを抱くことから始めて、それを公言し、共感を得て協働できる同志との出会いを今年も大事にしていこうと思う。

 皆さまにとっても、今年が良い1年でありますように。

 また1年よろしくお願いいたします。

 

臼井 弥生

この記事の執筆者

臼井 弥生

代表取締役社長