LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2021.10.18

協創の現場から人材戦略・人材開発

『若手VSベテラン』と『若手∞(無限大)ベテラン』となる組織の違いは ?

先日、ある製造業の人事担当者の方とミーティングをしていると、「今度のリーダー育成研修の際にベテラン社員のマネジメントについても情報提供できますか?」と尋ねられました。詳しく聞いてみると、新任リーダーとなる中堅社員が、自チームに所属するベテラン社員とのコミュニケーションが上手くいかず、多くの影響が出ているとのことでした。

一方、別のお客様では同じようにベテランの方と若手が入り混じったチームであるのに、そのような対立関係にはならず、時には厳しいことを言い合い、時にはアドバイスをするなど組織の成長に向けて協働していることが見えるチームとなっていました。

対立関係となってしまう「若手VSベテラン」なのか、若手とベテランが共に良き影響を発揮し合う「若手∞ベテラン」なのか。その職場の違いは何から生まれているのでしょうか。様々な要因が絡み合ってその状態になっているとは思いますが、両社の様子でここが違うなと感じたことが2つありました。

一つは『上長またはリーダーが、ベテラン社員の方々に期待する役割が変わることを明確に伝えているかどうか』です。一定の年次や経験を経て、役割が変化するタイミングをしっかりと設定し、本人にも周囲のメンバーにも分かるように伝えることが重要です。例えば「これまでは職場の生産性の向上に務めてくれていたが、将来を見据えた技能継承を期待したい」といったように貢献領域の変化を明確にするのです。

対立構造になる職場ほど、ベテランの方に対する役割期待が曖昧なままで本人の認識も周囲の認識も変わっていないケースが見られます。そうなると無意識のうちに周囲も気を遣ってしまう、ベテラン社員も変なプライドが邪魔をして指示を聞けない等の対立関係が起こりやすい状況となってしまいます。明確にベテラン社員のミッションを変えることで期待感が変わり、周囲にとって更なる協働関係が生まれやすい状況をつくることができていたのです。

もう一つが、『ベテラン社員の変化・成長がチームで共有化されているかどうか』でした。若手と比較すると、どうしてもベテラン社員自身の変化や成長に気づきにくいのですが、ベテラン社員も含めチーム全員が変化や成長を共有する機会がある組織では、年次関係なく成長に向けた支援関係がチームとして築くことが出来ている状態でした。

もちろん個人の素養として成長意欲や貢献意識などはあるかもしれませんが組織としては個人だけの問題にせずチームとして解決する、チームとして進める機会がある方が「若手∞ベテラン」という関係性になりやすいと思いますし、そのようなチームづくりがこれからのリーダーに求められる役割の一つだと思います。

労働人口の減少という課題が差し迫っていても、「若手∞ベテラン」の知恵とアイデアで課題を乗り越える時代になるのではないでしょうか。

この記事の執筆者

渡邉 健

コンサルタント
専門分野:人材育成・組織開発