LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2021.09.22

協創の現場からインナーブランディング

ブランドは一日にして成らず Part.2 ~実は見えていない?本当の魅力~

 自分の強みや魅力は何だと思いますか?自分の思っていなかった自分の強みや魅力を他者から言われてハッとしたという経験ってありますよね。

 企業の場合も同様です。これは有名な実例ですが、作業服の製造・販売のワークマン。作業者向けという市場を大きく広げ、ブランドを拡大しました。そのきっかけは、厨房用の油まみれの床でも滑らない作業靴が妊婦さんたちの間で広まり、「こういうのが欲しかった」とSNSで拡散されていったことからでした。

 その他にもキャンプやビジネスなど様々な場面や用途で、ワークマンの高品質・多機能が有効なことが知られていきました。自分たちのブランドの別の価値や可能性を、異なる消費者から気づかされたのです。  

 自社・自サービスの魅力や存在価値「こうありたい」が、自分たちの想定する顧客が心の中に思い浮かべる自分たちの印象の「こう思う」と合致する。その相思相愛を創り出すのがブランディングです。
 ブランド・アイデンティティが「こうありたい」を示す旗印となるのですが、それは<顧客が>期待する自社・自サービスの魅力や存在価値であることが重要です。それが全てに一貫性を持って繋がることでその企業・商品・サービスは選ばれ、成長し続けるブランドとなります。

 最近、お客さまのプロジェクトで自社のブランドを検討する中、このブランド・アイデンティティを明らかにする段階に入りました。まず個人で考えたものを発表しあった際、若手メンバーの一人がこう言いました。
 「あれ、これまで色々な観点から議論して顧客像や差異化のポイントをあらためて見出してきたのに、これだと今までHPやカタログで言ってきたことと変わってないですよね?」

 そうなんです。自社としての目指す姿やこだわりを重視することは大事ですが、それが顧客の望む、期待するものとは合致していないまま展開し、自分たちよがりになってしまうことはよくあります。「相手(顧客像)」のこういう価値を得たい、こういう不(不満・不便・不安…)を解消したいという潜在的な欲求や思いに対する自分たちの強みや価値でなければ、「相手」にとっての「私たちの魅力」にはならないのです。
 そこでメンバーの一人に、描いた顧客像(ペルソナ)の経営者になりきってもらうなどして対話を重ね、顧客が共鳴する自分たちの存在価値(ブランド像)がしだいに見えてきました。  

 また、別の会社では、長年に亘り社員を大事にした経営をする中で、障がい者も含めた雇用の可能性を追求し実践されていました。新たなバッグのブランドを開発し、そのブランド・アイデンティティを描くにあたり、当初はバッグの機能価値に焦点を当てていました。
 しかしそれは前提の話であり、顧客や従業員家族の期待はむしろこれからの雇用のあり方を世の中へ発信することではないか?私たちの本質的な価値は、バッグという目に見える製品価値ではなく、「目に見えない社会的な意義・価値」であることに社長はあらためて気づき、それをブランドに据える決心をされました。

 自分たちの本当の価値、本当の「魅力」は実は見えているようで見えていないのかもしれません。
今、大きな変化の時代で、人々や企業が求める価値も大きく進化してきています。
これからの社会における、自分たちの「魅力」は実は別のところにあるのかもしれません。  

 これまでの自分たちの視点を一度外して、第二、第三の視点や立場からあらためて自分たちの魅力を見つけてみませんか?

この記事の執筆者

藤掛 里花

チーフコンサルタント
専門分野:企業文化・組織変革