LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2021.05.12

協創の現場から人材戦略・人材開発

コロナ禍における採用活動

 5月になり、新卒採用活動の山場を迎えています。従来型の採用からオンライン化への急な対応が求められた昨年度でしたが、今行われている採用活動は、それぞれの会社がポストコロナ時代の採用とはどうあるべきかを考えた上で実践している活動だと言えます。

 ネットには採用実態を計測したレポートが多数公開されていますが、その中には、22年度の新卒採用で8割を超える企業が選考をオンライン対応している、というデータもありました。私が採用サポートを行っている企業では、これまであまりなかったエリアの学生からのエントリーが目につくようになったと感じていますが、地方在住の学生にとって、所在地が就活上のデメリットにならないことはポジティブな一面です。社会的な視点でも意義のあることで、コロナの影響がなくなったとしても、ニューノーマルとして定着化が望まれますね。

 一方、最終選考を対面のみとしている企業も半分弱ある、というデータもありました。オンラインでは感じ取れないことや、対面による緊張感がある中でこそ見いだせる資質もあるでしょう。学生側も熱意が伝わりやすいなど、ここぞという場面では対面を望む傾向は高いようです。

 将来的には、オンラインと対面の双方のメリットを活かし合う形になるのでしょうが、緊急事態宣言がいつまでになるのか読めない現状では、オンラインの比率を上げるか、採用期間を延ばすかの2択です。学生に人気の企業に先行して内定を出す採用戦略を取る企業では、選択肢はオンライン選考のみとなります。

 オンライン選考で苦労していることとして、学生の志望意欲を高めることに苦労するという声をよく聞きます。その背景には、社風や働く様子、一緒に働く人たちを体感してもらうことはオンラインでは困難であり、「この会社で働きたい」という気持ちの醸成に至りにくいことがあります。

 いつの時代も、離職の要因として「対人関係」、「理想と現実のギャップ(条件面の不満・やりたい仕事と異なる等)」が高く、内定後の辞退や離職を防ぐ上でも、志望意欲を高めることは大事なポイントです。

 選考過程でリアルな職場見学を組み込むことが難しい現状では、内定後のフォローとして行うという発想の転換が必要かもしれません。また、志望意思が定まっていないとダメ出しするより、対面機会を持てるまで保留状態にする、ということも手段の一つでしょう。

 対面機会を待つ以外にも、選考とは別のオンラインでの社員との座談会を提供した上で、仕事の具体例を語ってもらい、少しでも働くイメージや共に働く人としての認知向上を図ることも効果的です。

 オンライン化で現場の社員の協力も得られやすくなりますし、オンライン選考の問題点をきちんと共有し、協力してもらえる環境をつくることから始めましょう。そして企業にとっても学生側にとっても効果的な採用プロセスに変えていきたいですね。

この記事の執筆者

杉岡 篤樹

コンサルタント
専門分野:人材戦略