LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2021.04.28

協創の現場から

入社ゼロ日で活躍する新入社員!?

 2021年度がスタートしました。新型コロナウイルスの影響は依然として続いていますが、組織に新たな風を吹かせる新入社員を受け入れるにあたって、様々な工夫を凝らして体制を整えていらっしゃる会社も多いと思います。

 私がご支援しているお客様では組織の経営資源である人材(新入社員)を先行き不透明な環境下でどのように方向づけていくのか苦慮されていました。年度末から年度初めに亘って受け入れの職場環境整備や新入社員研修等に関わらせていただく中で「おや!?」と思ったことがありました。

 その会社ではSDGsの社会的な認識の高まりを受け、職場の日常的なマネジメントにSDGsの考え方や目標観を取り入れ、全社員に浸透させていこうとされていました。ただ、日常の業務とは直接的に関連しないことも含まれるSDGsの視点や観点を理解しようとはするものの、どのように実践したらよいか苦慮している社員の方々の様子がありました。

 今期の新たな取り組みとして、新入社員研修の中でもSDGsの簡単な解説や身近な社会課題について演習を行う時間を設けました。私も「先輩社員が苦労するのだから、新入社員の皆には少し難しいかな!?」と思って様子を観察していたところ、予想とは異なり、参加している新入社員それぞれが「日常生活におけるゴミ問題」や「商店街の賑わいの低下」等、自分の身近な生活にまつわる社会課題を具体的に挙げ、こうしたらよいのではないかと解決アイデアまで活発に議論していました。学校の授業の一環でSDGsについて学ぶ時間があったのかもしれませんが、時には”なるほど”と思わせる意見があり感心しきりでした。

 新入社員と聞くと、「まだ右も左も分からない」「教えてあげないといけない存在」と社会人の先輩である我々は“やってあげよう”というGiveの精神になりがちです。もちろんそれが全て悪いわけではありません。しかし大きな社会変化、価値観の変化が生まれている世の中では、先輩社員が全て答えを知っている訳でもありません。そこでGiveでもなく、反対のTakeでもないお互いに同僚としてフラットに相互に影響を与え合う「Peer effect(ピア効果)※」の生まれる職場環境をつくることが大切です。
 そのお客様では、新入社員研修の様子を職場で共有しながらSDGsの浸透や実践に繋がるアイデア出しの場において新人~ベテラン関係なくチームをつくり、より多様な観点で検討ができるよう工夫しているとのことです。

 多様な価値観が受容される世の中に変容していっているからこそ、新入社員だから何も分からないではなく、アイデアや個性を入社ゼロ日でも活かせる、そんな職場環境づくりのスキルが今後求められると感じています。

※Peer effect(ピア効果)…仲間や同僚間で切磋琢磨し、お互いを高め合う効果のこと

この記事の執筆者

渡邉 健

コンサルタント
専門分野:人材育成・組織開発