LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2021.03.10

協創の現場から人材戦略・人材開発

今こそフィードバックある職場へ

 それぞれの企業・組織が、未だ収束へのゴールは見えないものの、未来を見据えて、新常態での働き方や職場風土を築きながら、前向きに挑戦的に新しいビジネスや組織づくりに挑んでいます。

 その状況下にあって、最近あらゆる所から聞かれる残念なことがあります。新入社員や勤続1~2年目の社員が、突然退職してしまうことです。それも身近な先輩に相談することもなく、すでに本人の意志は固まった上で上長に報告する場合が多いと言います。

 会社・職場によってその背景や状況は様々で、コロナ禍での入社により導入研修もなく入社直後からテレワークで働くことを余儀なくされた場合。あるいは、直接面倒をみる先輩がいるものの、「仕事を教える」話が基本でメンタル面でのコミュニケーションが希薄な職場の場合など…。

  あるお客さまは、リモート導入研修の後に配属された新入社員たちが職場に馴染めず、表情も沈んでいる状況をすぐに察知して、6月に緊急の集合型研修を行いました。この会社が大事にしているコミュニケーションのあり方、中でも「フィードバック」とはどういうものかの本質を伝え、新人同士でそれを実践し体感的に理解する機会を重視しました。するとその後は新人たちが職場に順応し、従来のその会社の新人らしい成長軌道に乗っていったそうです。

 ここでの重要な変化とは何だったのでしょう。それは、職場で先輩や上司が本人に伝えることに対して、何故言ってくれるのかを受け止め「感謝」の気持ちで聴くことができる姿勢が備わったことです。フィードバックの本質は、相手の成長のために、相手の魅力や個性や強みを認めた上でプラス面と、そして更なる成長のため啓発してほしい面の両面を伝えてあげる行為です。最近では「フィードフォワード」と将来軸であることを強調している言葉もありますが本質は一緒です。

 そのため、先輩や上司自身がその本来の意味を正しく理解し、注意・指導という一方的なものではなく望ましいフィードバックを実践できることが大事です。そこに伝える側と受ける側の双方で信頼関係が育まれ、職場全体のコミュニケーションプロセスを良いものにしていきます。逆にフィードバックのない職場は、表面上は問題ないように見えますが、社員同士の関係性のみならず、会社への信頼関係や愛着もまた希薄なものにしてしまうのです。

 この「フィードバック」をベースにして、一人ひとりの既存の仕事や領域を超えた将来なし得たいライフミッションを、日常の中で共有・対話しあうコミュニケーションを大事にしている職場もあります。

 もうすぐ4月。大切な若き人財を迎える前に、自分たちの職場でフィードバックのコミュニケーションをあらためて実践していきませんか?

この記事の執筆者

藤掛 里花

チーフコンサルタント
専門分野:企業文化・組織変革