LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2021.02.24

協創の現場から人材戦略・人材開発

関わるリーダーシップ

 二十年以上、お客さまと密着しながら人材育成プログラムを企画・実施してきた私にとって、コロナ禍にある今期は、研修そのものの実施内容やスタイルについて模索し続けた年であり、改めて制約がある中で教育を継続し、効果を生み出すことの難しさについて考えさせられる年だった。

 そのような中で、私が今期担当したある会社様では、遠隔であっても着実に教育効果を上げた。制約がある中で人材育成の効果をどのようにしたら実現できるのか、正解はないものの、その核心について考えてみたいと思う。

 この事例では、今期の人事制度改訂に伴い、職制毎の役割を再定義した結果、次世代リーダーの更なる経営への参画度を高めたいとの社長自身の強い思いから、リーダー研修を年間全4回シリーズでオンライン開催した。

 集合研修と同様の講義やセッション形式で、リーダーとしての基本について理解を深めると共に、毎回のように実践プランを練り直し、個別に気になる受講生のWEB面談を定期化した。回を追う毎に、受講生のアクションが具体化され、働きかけるべき部下の対象範囲も広がり、職場の目標達成にも寄与していった。その要因は何かを突き詰めると、研修の内容以前に、年間を通した経営者の次世代リーダーへの関わり方の深さが大きかったと感じる。

 現代の行動科学の領域では、全ての状況で経営者が関わり過ぎることは良くないという考え方もあるかもしれないが、その会社様では経営者が現場まで降りて、第一線のリーダーのあり方・行動に口を出すことが、このコロナ禍の状況下だからこそ大切だったのではないかと思う。

 社長が実践したことは、とにかく当初の期待水準を一切下げなかったこと、納得のいかない点は研修中であっても遠慮や躊躇なく全体・個別に伝わるまで発信したこと、個人に向けたフィードバックは口で伝えるだけでなく、紙にしっかりと具体的に書いて伝えること、そしてそれらを一年間徹底し続けたことだった。

 リモートが常態となる中で、動画などの自学自習コンテンツの拡充による自律的な学習環境を準備する企業もますます増える傾向にあると思われるが、スタート段階や実行段階でトップからどのようなコミュニケーションをとるかによって効果性が大きく変わることは間違いない。今後もより一層、経営層の方々との人財育成面での連携を大切にしていきたい。