2020.12.09
協創の現場から人材戦略・人材開発
「書く言葉」の価値
「大晦日」「年の瀬」や「新年」「お正月」といった言葉から連想される多くの季節行事や定例イベントが、新しい形で行われる最初の時を迎えることになるのでしょうか。
先日、2020年度の新語・流行語大賞の発表がありましたが、「3密」という言葉は本当に浸透し、「密」という言葉から連想されるイメージはかなり変化・拡大しました。
一方、「今年の新語2020」の大賞は「ぴえん」でしたね。私は、恥ずかしながらこの言葉をグループの社内報で知りましたが、ジェネレーションギャップと言うよりも「日本人向けの日本語学習」が必要な世代に入っている……と暗澹とした気持ちになりました。
そんな時期ですが、直近、あるお客さまの管理職研修に参加しました。
コロナ下での開催であり、感染対策をしっかり取りながら対面型で実施。マスク着用や「密接」を避けることから、「密」なコミュニケーションの障害はいくつもありましたが、現地・現場で直接やりとりすることの価値を、久しぶりに実感できました。
プログラムにフィードバックセッションがあり、担当チームのメンバーに私からもコメントを伝えた翌朝、チームメンバーの方からこんな言葉をかけていただきました。
「昨日の立石さんからのフィードバックですが、セッションの後に、改めて受け取ったカードに書かれていることを確認しました。言葉で聞いた時よりも、書かれている言葉を見た時の方が、深く胸に刺さりました。」
アメリカの心理学者ロバート・メラビアンの提唱した「3Vの法則」によれば、メッセージが発せられた時の受け手の判断は、言語情報(Verbal)が7%、聴覚情報(Vocal)が38%、視覚情報(Visual)が55%という割合で参考にされており、コミュニケーションにおける非言語情報の重要性が説かれています。
オンラインコミュニケーションが増え、五感を使った情報のキャッチのしにくさ、ボディランゲージを活用した非言語コミュニケーションスキルの必要性などが言われる中ですが、7%とは言え、改めて「言語情報」の価値を再認識させてもらった気持ちになりました。
「ぴえん」は今後もうまく使えないかもしれませんが、限られた接触機会の一つとして、書いた言葉、文字情報でのやり取りも、大事にしていきたいものです。
2021年の年賀状、しっかり書きたいと思います。