LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2020.09.30

協創の現場から人材戦略・人材開発

考課ノウハウの組織的蓄積

 9月も終わりを迎えますが、3月決算の場合、9月は半期検証の時期となります。お客さまの中でも、小集団活動や個人目標の検証、マネジメント層として会社・組織の目標検証の進め方をどうするのか、という話題が目立ってきました。今期はコロナ禍で、制度の説明や考課方法を動画化するという動きも多いように感じられます。

 「検証や考課に対する社員の力量を上げる」という視点で改めて考えると、制度の変更時には研修やマニュアルを用意し、運用強化上の重要ポイントとして力を入れるものですが、数年経過すると職場のOJT任せになっていませんか?

 新任管理職研修では、労務管理やマネジメント方法などの習得を図るのが一般的ですし、その際に自社固有のツールである人事制度を上手く活用することを盛り込むこともあるでしょう。しかし考課者の世代交代後、初めての考課の時にきちんと考課実務をフォローできている会社はどれほどあるのでしょうか。この問題は、考課者としての能力啓発というよりは、組織的に考課ノウハウを継承できているのか、という問題なのですが、ではどのような解決策があるのでしょうか。

 一つはノウハウの蓄積・活用を仕組みとして整えることです。一般論ではない、実際に検証・考課がされたアウトプット、活きた教材が社内にはたくさんあるはずです。その中で検証内容の善し悪しを、サンプルと解説付きで整理し、誰でもアクセスできる環境で提供することは、リモートワークにも適合しますし、自社専用の事例として分かりやすさが高まります。

  もう一つは、考課プロセスにおいて次期考課者候補へのOJTが必須となる運用プロセスを定着させることです。一次考課者ではなくても、役職や社内の立ち位置的に、若手や後輩の様子を考課者である上司に伝えることが期待されている人材がいるはずです。そうした考課者候補に対し、自己評価に対してどのように考課するかを思考し、何をフィードバックするのか決める過程を、協働兼学習機会として提供することをルール化するのです。

  「考課実務が絡むということは、センシティブな情報の扱いに留意しなければならない」という考えが、組織的なノウハウ共有の妨げとなります。だからこそ、役職を問わず育成への協働が当たり前の風土形成が重要となります。


 考課機会を被考課者の成長だけでなく育成にあたる層に対しても指導する場として認識し、実践されるような環境を整えることで、育成・指導の組織力や、考課への納得感も高まっていくことでしょう。

この記事の執筆者

杉岡 篤樹

コンサルタント
専門分野:人材戦略