LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2020.08.26

上位概念・組織開発協創の現場から

システムに血を通わせる

 今年度から、目標管理制度の運用システムを試験的に導入されたお客様がいらっしゃいます。人事制度の見直しもちょうどあり、各自の目標設定状況や面談の実施状況などが可視化された状態をつくることで、運用面を含めて曖昧になっていたことがしっかり実行される状態をつくりたい、との社長の思いがありました。

 社員には、オフィスワークの業務だけでなく工場での生産業務に就かれている方もいらっしゃいます。普段のお仕事の中では、パソコンを使う状況はかなり限られているとのこと。4月の目標設定の準備段階では、管理部門の方とは「工場の方の分は、これまで通りシートに手書きで書いてもらい、それを代行入力した方が混乱がないのでは…」という話をしていましたが、せっかくのシステム導入ということで、全員が自分自身で入力を行いました。
 その後の目標設定面談では、工場勤務の方は対面でのすり合わせを行い、オフィスワークの方で在宅勤務の場合などはオンライン面談を実施。いずれの場合も、面談時のアドバイスやフィードバック内容はシステムに記録し、修正箇所の見直しや承認フローは、システムを通じて進められました。

 まだまだ「使ってみる」という段階ではあり、やりにくさを感じる点もあるようですが、
・離れていても、システム上で同じ画面を確認しながら話せる
・他部署や、他のメンバーの設定がどこまで進んでいるのか、意識するようになった
・工場でも、以前よりも目標についての共有がしやすくなった
・目標設定シートをなくすことなく、いつでも見やすくなった

…など、システムによって実際のプロセスに変化が生まれていることは間違いなく、デジタル化をより進めるタイミングであることも後押しとなり、今後のフォローアップや評価に向けての考課者研修などもあわせて、活用を進めていくとのこと。

 「これまでは、評価者と部下との1対1の間のことで、本当はそんなものではいけないが、設定や評価のタイミングがこなければ意識しないものになっていたと思う。でもこのシステムがあることで、目標達成を意識して行動することにつながったり、思い返すことが増えたり、他の人の状況に関心を持ったり…そんな変化をどれだけ生みだせるかがこれからの課題だが、色々な変化のキッカケにはなっていると思う」と、社長はおっしゃっていました。

 どんなシステムもそうだと思いますが、導入当初は一定の不満や使いにくさがあるものです。でも、なかなか変えられない現状を変えるキッカケ・機会としてのインパクトが大きいことも事実です。システムに血を通わせ、それを活かして新しい文化や行動を創っていけるのは、使う人次第。
 新たな日常づくりへのチャレンジは、肯定的な受け止めからこそ始まるのではないでしょうか。

この記事の執筆者

立石 裕美

チーフコンサルタント
専門分野:組織変革・人材育成