LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2020.07.22

協創の現場から人材戦略・人材開発

ハンブル・リーダーシップに学ぶ

 コロナウィルスを機に、日常の過ごし方や職場内の働き方が変わろうとする中、「ソーシャル・ディスタンス」ならぬ、「プロフェッショナル・ディスタンス」という現象が起きていると実感します。つまり、自らの専門性を発揮し、より自律的に管理・学習し、顧客に対する成果を創出する関わり方が、我々ビジネスマンに一人ひとりに求められるようになっているように思います。

 そのような中、ある会社様で「今後、リモートワーク100%導入を目標に掲げることになった。一人ひとりのプロフェッショナリズムは養われるかもしれないが、果たして会社としての一体感や帰属意識を養うことはできるのだろうか」という声をお聞きしました。 昨今、働く社員の自律性と、働き続けるためのロイヤリティの両立は非常に重要なテーマです。そのような中、先日薦められて手に取ったある書籍から、これからのリーダーシップに期待されることのヒントが掴めました。本のタイトルは「ハンブル・リーダーシップ」(著者:エドガー・H・シャイン)というものです。

 ハンブル・リーダーシップとは、「新しくより良い何かを生み出す際には、リーダー自身が、真実はわかっていないという自分自身の脆さを謙虚に受け止めることを前提に、リーダーとメンバー間、もしくはメンバー同士が、より個人的で、オープンな信頼関係を生み出す」リーダーシップを意味します。つまり、正解が一つとは限らない今、そしてこれからの時代では、職場メンバーの相互依存関係が増していき、協働できなければ失敗もあり得ます。そのため、リーダーはデータや業務、数字だけでなく、よりリレーションシップに影響を与えることが求められます。そのためにも、よりパーソナライズ(個別化)したメンバーとの関係づくりが重要であり、リーダー自身が、様々な感情・価値観に積極的に耳を傾け、時にリーダーである自分自身も開示する姿勢がより一層求められるとのことでした。

 在宅勤務が進む中で、何がどこまで進行しているかの課題や業務状況の把握に関心が向き、自律性や愛社精神を持って働いていることは一定の年次・立場の人については問題ないものと認識されやすいのではないでしょうか。しかし、一括りに当たり前のこととするのではなく、働く意味や貢献への想い、志は個々別々に存在するものであり、働き方が変化する中でも理解し合う事は大切なのだと改めて痛感しています。

 新たな職場環境、対人環境に適応していくことは勿論ですが、相互理解や共感を育む関わりをどう組織内に組み込むか。その点を逸さないで変化を取り入れていくことを、組織開発の実践家として忘れないようにしたいと思います。

この記事の執筆者

馬場 英博

コンサルタント
専門分野:人材育成