LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2020.07.08

エグゼクティブ・アイ上位概念・組織開発

18ヵ月

 今年の春はどこかに消えてしまった。梅雨そして初夏と、季節を感じるゆとりを楽しむ機会を積極的につくろうという気持ちになるのにはまだ時間を要すると、多くの人が思っているだろう。けれども街には、次第に人が増え始めオフィス街の様子も変化を感じられるようになっている。ディズニーランドの再開にわく人々を見ると、心から楽しむこと、笑うことの価値を改めて感じる。願う気持ちは高まる一方、願うだけでは事態は変わらない。

 予断を許す状況にはない中で、足元の新型コロナ感染症への対応とその後の新常態をどのように受け止めて、これからの在り方を変えていくのか。どの企業もビジネスのこれまでの当たり前を試行錯誤しながら取り組んでいる。

 私たちも4月以降決まっていた仕事の延期や中止が相次ぐ中で、「やり方」を変えて当初決めていた通りの目標に向けた取り組みを展開するケースが増えている。
 プロジェクトミーティングも3密を回避する環境を整えながら、マスク・フェイスシールド着用でのディスカッション、Webとリアルを混合したハイブリッド型のセミナーや完全なリモートでのファシリテーション、スタジオを借りた社員総会のLIVE配信などを実施するとともに、これらに伴う事前事後の準備や打合せ内容の中身も大きく変化している。

 経営の意思決定には、常に「やるリスク」と「やらないリスク」が存在する。リスクがないということはない。ここで最も大事なのは「時間」という経営リソースをどのように受け止めるかということにある。今はリソースの不足よりもリソースの入れ替えの方が重要かもしれないが、やりたいことは色々あっても、人や能力が足りない、設備や技術が足りないといったリソースの課題は常に存在している。けれども、「時間」というリソースは万国共通だ。

 今回の危機に見舞われて、時間というリソースをどのように扱うかの重要な局面にあると思う。飲食業界を見ても、要請に応えて完全に自粛体制をとるところもあれば、これを機に販売チャネルを一気にテイクアウトや宅配へと多様化し、Webサービスを活用して知名度を上げ、新たなお客さまを獲得しているところもある。このスピードがもたらす効果は短期的・経済的な側面だけでなく、今後の経営に大きく影響するだろう。私たちは、今をどのような機会として過ごしていくのか日々問われているように思う。 

 そのような中で、大きな打撃を受けている旅行業界に位置する星野リゾートの社長は、平時とは異なる動きを今年の4月以降18カ月と定め、その期間に何をどうするのかということを数多くのメディアを通して発信している。社員や私たちにもわかりやすい説明で、「マイクロツーリズム」の需要を喚起している。確かに安全・安心が約束された旅を楽しみたいという欲求はある。そこにいち早く応える自社の考え方や取り組みを明確に示されると心が動く。現実を直視しながら状況を変えるには、自らが変わることを明確に示すことの大切さを見せられている。

 対応することと予応することの両立を求めることを常に説いてきた身であるが、備える予応策を講じるだけでなく、これを機にアジャイルな変身をすることができるか、頭も体もリフレッシュされた会社になることができたという状態にしたい。そんな思いを込めて、私も18カ月を6つに区切って前進しようと思う。3カ月ごとに得たい状態を具体化する作業なので労力はかからない。考えていることや成したい思いをまずは文字にすることだ。今後、プラン通りにいかないこともあるだろう、第二波もいつどのようなカタチで襲ってくるかわからない。だからこそ、今が現実的な将来に繋がるプランを持って臨みたい。

 「神様は乗り越えられない試練は与えない」という言葉があるように、試練は人を強く逞しく成長させてくれる好機だと思う。18カ月後に笑顔で良い振り返りができますように。

この記事の執筆者

臼井 弥生

代表取締役社長