LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2020.05.13

協創の現場から人材戦略・人材開発

コロナ状況下の人材育成に思うこと

 緊急事態宣言の一部地域での解除が検討されているとのことですが、感染拡大防止策は引き続き徹底が求められます。この春から在宅勤務、リモートワークがいきなり始まり本格化した、という方も多いと思います。準備万端で始められたわけではないものの「思っていたよりもいけそう」「不便さはあるけど、やっぱりいいこともある」などと感じることも多いのではないでしょうか。環境が変われば行動も変わるもの。多くの方が変化を受け止め、変化させることに向き合っている、価値ある時間だと認識しています。

 3月から延期や中止となることの多かった「集合型研修」ですが、実施タイミングが重要であるプログラムも多く、オンライン開催を望まれることが急速に増えました。学習形態としては「通信教育」や「オンラインセミナー」は決して新しい手法ではないですね。ただ、どちらかと言えば「(個人として)何かができる」ようになる能力啓発学習の手法として効果性が高いという認知ではなかったでしょうか。
 その一方で、リーダーシップやマネジメントを学ぶことや、他者との関わり・やりとりを通じた気づきを得ること、役割期待の醸成などをねらいとするようなプログラムは、集合し同じ場所で同じ時間を共にする形式でなければ難しいものという捉え方がまあまあ自然。ですから、そういう種類の研修は「やりたくてもやれない」という状況になって保留(あるいは放置)状態。今年はコロナだったから仕方ない…という整理をしてしまうことも場合によってはあるでしょう。

  「一同に会する」「体験を共有する」ということの価値が下がるということではもちろんありませんが、「集まっている」という状態を前提にして、そこから派生する学習効果に期待するということでなく「必要体験の要素」や「学びを生み出しているプロセス」にしっかりとフォーカスする。それによって、異なるやり方でも結果は得られるものと考えます。リアルな場での「集合学習」の代替策や置き換えとしての「オンライン研修」ではなく、むしろ学習促進要因を押さえた学びのプロセス(≒研修)をデザインすることで、成長や育成の新たな仕組みができる。そうなれば、よくある「研修するのはいいけど、本当に効果は出ているのかな?」といった疑問や不満の解消にもつながり、人材育成の何に、どこに投資するべきかの判断もしやすくなるのではないでしょうか。

  「ゴメンね、君たちコロナ世代だったから、教育がちょっと薄くなっちゃったんだよね。そんなことより大変な状況だったからさ」みたいなことには、なりたくないものです。

この記事の執筆者

立石 裕美

チーフコンサルタント
専門分野:組織変革・人材育成