LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2020.01.29

協創の現場から人材戦略・人材開発

仕事の体幹を鍛える

  ナイキの「厚底シューズ」が使用禁止になるかもしれない、ということが報じられています。私も箱根駅伝をテレビ観戦しましたが、選手たちのピンク色の足元と、バンバン更新される区間記録。その後のニュースで靴底に組み込まれたカーボンプレートの効果もあり、好記録につながったのではないかという解説を聞き、なるほど研究と技術の進化はすごいものだなあと思ったものでした。

 スポーツの世界に限らず、仕事の場でも大きな技術革新や進化が進んでいます。働き方改革というテーマも含めて、生産性をより一層向上させるため、デジタル技術を取り込み、自動化・AI化を進めることは大なり小なり日本中の企業で取り組まれていると思います。では、実際に生産性は向上しているのでしょうか? 日本生産性本部が昨年末に発表した「労働生産性の国際比較2019」によれば、日本のランキングは21位。2013年から変動していないそうです。この数値の妥当性はともかく、働く我々自身も「生産性が改善している」という実感が高まっているかどうかと言えば、そうではないように感じます。

 新しい技術を使いこなせない、従来の専門性が通用しない、会社の業態変革でもはや自分の能力は必要のない過去のものだ。働く自分の「テクノロジー」への問題意識が高まっている人も多いです。ではどうすれば良いのか。

 冒頭の厚底靴に関する報道の中で、アスリートの方が「こういった技術や道具だけを引き合いに出し、それだけの要素で記録が出ているというような認識には違和感がある」と発言しているのを目にしました。人間自身の持つ力を磨くことなしに結果だけが変わることはないという前提に立つことが重要だし、そう認識してやっていなければ意味がないのだと感じました。

  技術の進化はもっともっと進みます。人間がやるよりも、ロボット・AIがやる方が確実で安定して早いという領域も増えるのでしょう。そういう中で、我々人間がやることの意味・価値を実感・提供できる仕事をしていこうと思うのなら、最新の知見やテクノロジーを身に着けることも大事ですが、今一度、自分の働く「体幹」を鍛えることが大事なのだと思います。社会環境や世の中の大きな変化の中で、ぶれずに仕事の目的・意義を捉え、自分のやるべきことを自分ごととして取り込み、関係する人々との共有と協働をどんな時も忘れずに当たり前にできる、そういう「体幹」です。体幹がゆがんでいたり、弱かったりしては、どんなに良いツールも仕組みも活かせない。むしろ体の方が壊れてしまう。

  今年はしっかり体幹トレーニングをしよう、と思っています。

この記事の執筆者

立石 裕美

チーフコンサルタント
専門分野:組織変革・人材育成