LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2019.10.16

エグゼクティブ・アイ

ラグビーワールドカップに魅せられる理由

 ラグビーワールドカップが予想をはるかに超えた盛り上がりをみせている。私自身も含めた「にわか」ラグビーファンが、このお祭りの後どのような道を歩むのかが気になるところだ。小泉環境相の環境問題に対するセクシー発言が波紋を呼んだが、私にとって、今の日本チームは「楽しく、クールで、セクシー」な存在だ。
 開幕前は、日本代表選手の31名のうち、15名が外国出身であることに違和感を覚えつつも、外国人選手が日本代表になるための条件やその背景を知ることでなるほどと気づかされることが数多くある。

   経営のグローバル化が進展する中で、「ダイバーシティ」を経営課題の一つとして捉え様々な取り組みが行われている。「多様性を活かす」ということは、多くの人が理解しているだろう。では、自社の人材戦略において、ダイバーシティをどのように定義し、打ち手を明らかにして実践しているだろうか。
 先日の日経新聞で、「トヨタ、採用の5割中途に~ホンダは4割CASE対応」という見出しが1面トップで報じられていた。それより前には、「NEC新卒1000万」「ソニー新入社員が730万」という記事も目にしている。

 今、日本の従来型の雇用形態や人を活かす仕組みが大きく変わる転換期に突入している。AIをはじめとする先端技術分野においての人材獲得の施策であることはわかるが、あわせてこれまで採用してきた人材の活用策も持っているのか、給与体系や評価の仕組みは既存の社員の心に火をつけるものになっているのかが気になるところだ。
 これは、先端技術を駆使した製造業に限った話ではない。これまでのビジネスモデルの収益力の低下や機能価値の低下という課題に、業界問わず多くの企業が直面している。 未来社会に向けて製品やサービスを開発していく動きが加速することを前提に、これまでとは異なる人材ニーズが高まることは必然的なことでもある。
 外部から新たに人材を投入するという施策と合わせて、今いる人材そして新卒人材も同様に戦略の担い手となるような思考で育成プロセスを再考していくことが大切だと思う。我々の会社における「これからのビジネス」において共通して保有すべき考え方とスキルは何なのか、先端技術も活かせるマーケットの発掘やお客さまに選ばれるということの意味合いがわかっていないと仕事にはならない。
 
    新人であれば、スマホ・Youtubeで育ってきた彼らの知見や感性をどのように自社に活かそうとしているのか。あるいはプロジェクト活動でも必須となるリアルなコミュニケーション力の大切さはどう育んでもらうのか。お客さまの声をビジネスシーズに変えることができる傾聴力と洞察力、そして情報価値化力。日常の風景や情勢をビジネス機会として捉える先見性を養わせることを今の仕事環境やスタイルでかなえているか。日々の定型的なオペレーションとデリバリの品質のマネジメントのみならず、人々の力を活かす「働き方改革」のマネジメントは存在しているのか。IoT・AIの応用でこれまでの仕事がなくなるという焦燥感だけを煽るばかりで、これからの「人」としての価値を実感できるそれぞれの在り方への方向づけをしているか。目先の課題を即効薬で解決することばかりに目を向けて、これまで貢献してきた人々を本当に活かそうという意志を持って、人材のことを考えているか。そもそも、高い専門性をもった新人や独創性ある中途採用の人材が、能力を存分に発揮できる風土や慣習が自社にはあるのか。
   これらの問いに自社としての強い決意をもって臨んでいくことが求められている。採用の方針変更が独り歩きしても、期待する成果を得るのは難しいと思う。

 ラグビーワールドカップの外国出身者は、自らの意志でチーム(国)を選択している。一度選択したら、他の国の選手にはなれない。だから、期間限定の助っ人ではない。日本を選択した理由は人それぞれだろうが、日本チームの一員として決勝トーナメント進出、そしてその先へ…という共通目標を実現するために、戦っている。そして元の国籍など関係なく、チームワーク溢れる感動的なプレイを魅せてくれている。
 どんなに素晴らしいスキルがあったとしても、志を一つにしなければ偉大な結果を生むことは難しいのがチームであり、組織であると思う。熱い血の通った組織は強い、そこがいいのだ。

 頑張れニッポン。