LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2019.02.28

協創の現場から人材戦略・人材開発

人事制度、若手の納得感を高めるには?

     ニュース番組で、社会人になるにあたって「叱られる力」をつける研修を実施する大学の話が取り上げられていました。ビジネスマン向け、中でも管理職を対象としたスキルアッププログラムとして「アンガーマネジメント」や「叱り方」講座は受講経験のある方も多いと思います。近年の(と、くくりすぎてもいけませんが)若手社員育成の悩みとして、「叱られることに慣れていない」「ちょっと厳しくしただけなのに、打たれ弱い」などの声は、本当によく聞かれます。
  パワーハラスメントのリスク回避から、そもそも厳しく接することを避けるようになってしまった、という方もいらっしゃるかもしれません。我々も、まずは管理職層に対し、部下に接する際のマインドセットとスキルを提供することの方が多いのも事実です。

  ひるがえって、近年、いくつかの企業の人事制度構築・浸透支援をさせていただいていますが、「評価に対する部下の納得感が得られないこと」への問題意識をよくお聞きします。特別なことではなく、必ずあがる問題点でもあります。そうすると、考課する立場の管理職の皆さんは大抵、もっとどうすれば評価へのメンバーの納得感が高まるのか、制度はもっとこうでないとダメではないか、考課者間の評価に対する認識が異なっているのが問題ではないか、評価に差がつきすぎるのもいかがなものか・・・といった議論になります。

 ある時、議論していた管理職の方に、こうお聞きしてみました。「評価される一般職の皆さんは、ウチの会社では何をすれば評価されるのか知っていますか?」「ウチの会社の評価制度の考え方や、何によって自分の評価が給与に反映されているのか、皆さんの部下は理解していますか?」多くの方の答えは、NOでした。

 マネジメントの立場として、部下の達成感や意欲向上を促進したいという気持ちは当然必要です。また、公平な評価を実践しようというマインドも当然重要です。一方で、、部下の立場からも「自分の評価に対する自分ごと意識」を高めることが同様にとても重要であり、そのためには部下自身の「正しい制度理解」を促すこと、部下の「制度を使う力」を高めることが必要な場合が多いのではないかと思っています。でなければ、他者にどう評価されるかでしか、納得感はあがらなくなってしまいます。
 
  冒頭のニュースでは、講師の方が「叱る」とはどういう行為なのかを説くことで、学生から「『怒られた』という捉え方でなく、自分を思っての指摘であり、相手からの期待を持ったコミュニケーションだとポジティブに受け止めたい」と いう声があがっていました。コミュニケーションを成立させるのは、受け手の力です。受け手の力を高めていくことは、欠かせない人事制度浸透上のアプローチだと思っています。

この記事の執筆者

立石 裕美

チーフコンサルタント
専門分野:組織変革・人材育成