LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2019.02.15

協創の現場からインナーブランディング

一担当者だって会社を動かせる?

 昨年から話題になり、アカデミー賞にノミネートされている映画「ボヘミアン・ラプソディ」。伝説のバンド「クイーン」の栄光と知られざる苦闘を、ボーカルの壮絶な人生を軸に描いた伝記映画です。固定化した音楽のジャンルに止まらず、またこれまでの業界の慣習を打ち破るクイーンは、当時の大多数の音楽評論家からは痛烈に避難され、酷評を浴びせられたといいます。どの時代・国・組織でも、これまでにないものを受け入れる・認めるということは難しいものです…。

  さて、私どもの会社には、社長をはじめ経営層から直接ご相談をいただく場合と、総務部・人事部などのご担当者から相談される場合の 両方があります。

 当然ながら経営層が起点の場合は、ご自身の問題意識が明らかなので、それぞれの組織の状況にあった着手となるわけですが、担当部局・担当者起点で、自社の風土や文化に将来への強い問題意識を持ち、今の組織のあり方を変えていこうとする場合、組織を動かすことはなかなか難しいのが実態です。しかし最近、私どもにはご担当者から切実なご相談をいただくことが本当に多いのです。

 では、担当者からでも社内全体にムーブメントを起こす秘策なんてあるでしょうか?

 はい、あります。 自社の重要な節目の時期や出来事(イベント)をきっかけにする。言葉は悪いですが、「かこつける・利用する」というものです。
 
 その時期・出来事とは、社長交代、合併・統合、事務所移転など、そして「周年」です。中でも、その前後数年を利用して、担当者でも意図的に機会を作っていきやすいのが「周年」であり、 これまでは行いたくてもなかなか出来なかった全社的な活動を起こす絶好の機会なのです。 

 ある製造業のお客さまでは、従来型の製造体制のまま複雑化する顧客ニーズに応え続けてきた負荷が重なり、遂に重大事故が起きてしまいました。その火消し対応に止めず、根本的に組織風土を変える時期に来ていると感じた総務部の担当者さまは、個別に役員に働きかけるものの、経営層の総意としての合意形成にすることは難しいことでした。そこで、2年後に100周年を控えていること、さらに長期ビジョンにも組織文化の変革の必要性を言葉として示していることから、100周年への準備活動の軸を組織風土調査とそれに基づいた風土変革活動に据えることにこぎ着けました。
 
  また20周年を3年後に控えたサービス業のご担当者とは、周年の位置づけやポイントを協議し、それらを社長にも提言したところ、それならばタイミングとして、20周年は新しい組織力を発揮するスタートにすべきで、3年前の今からウチらしい仕事のあり方を築き、組織力・人財力を高める活動を始めるべきと社長の考えを促進することに繋がりました。すでに周年をきっかけにした全社的な組織活動がスタートしています。 

 このように現場に近い方々による自社の将来を思う気持ちを、何とか社長をはじめとする賛同者に拡大していけるように、これまで、多くの担当者さまと作戦会議を重ねてきた中で、「周年」という起点のもう一つの活かし方が見えてきました。
 
  さて、新しさを受け入れない影響力のある音楽評論家やマスコミを封じ、クイーンの才能を潰さず開花させたのは何だったのでしょうか?
  
   これまでの既成概念・社会通念にとらわれず、純粋に素直にその良さや魅力に気づいた若者たち、特に日本人がその最初だったそうです。
  大丈夫です。一つのきっかけを創り出せれば、きっと共鳴者は広がります。

 

この記事の執筆者

藤掛 里花

チーフコンサルタント
専門分野:企業文化・組織変革