LEADERS BLOG

リーダーのためのブログ

2018.08.09

協創の現場からインナーブランディング

あたらしい主役たちがつなぐ「ビジョナリーブック」

 最近、私たちの会社に要望いただくことで非常に増えているものがあります。

自分たちの会社がなぜ生まれたのか?その創業の思いを先人たちは何をもってどのような決意で実践してきたのか?これらを文章化した、いわゆる「社史」「ヒストリーブック」です。これに加え、理念やビジョンも掲載する「ビジョンブック」もあります。

  一般的には、周年のタイミングで、これらを必要とする企業も多いのですが、そうではない時期にお話しをいただくことが増えているのです。

 ある会社では、経営の引継ぎが行われた数年後、先代社長から現社長に助言があって編纂がスタート。 ある会社では、親会社から子会社の社長を任せられ、この会社の生い立ちや事業の社会的意義を知り、社内外に共有しなければならないと強く感じ編纂へ。またある会社では、大きなビジョン転換から数年後、まだ道半ばであるものの、組織としての変化が見えてきた過程で、その変化や成長の所以をきちんと全社員で認識すべきと感じて。弊社がお手伝いする際には、お客さまごとに、その本のタイトルや構成も、装丁・体裁もそれぞれに異なりますが、社史やビジョンブックとは似て比なるものとして、あえて「ビジョナリーブック」と名付け、そのブックが単に歴史を記録するもの、遺すためだけのものになってしまわないように次のポイントをお客さまと共有し、編纂をしています。

 (1)「理念・ビジョンの息づかいがわかるもの」

単に、歴史的なトピックスや施策を並べても意味を見出すことは難しいもの。

大きな経営の意図や決断には、その背景となる理念や価値観がその時々の解釈で宿っているため、そこがちゃんと今の時代に共有されるようにする。

 (2)「組織の学びと成長の過程がわかるもの」

偉人たちの伝記は、失敗や成功から学び、また挑戦するというプロセスがあり、ストーリーがあるから面白い。同様に、企業も組織としての学習と成長があり、今だからこそわかるその繋がりをストーリーにする。

 (3)「今の人たちが何を引継ぎ、進行形にするのかを明らかにする」

「ビジョナリー・カンパニー※」」とは、理念とともに成長・進化し続ける組織体です。後世に遺す・継承するのではなく、今の経営者をはじめとする今の主役たちが、歴史の中の精神や理念を自分たちなりに解釈し、再編集する。自分たちが語り継ぐためのツールとして活かすものにする。

  創業者から経営のバトンを託された若い社長は、ビジョナリーブックの編集中に、ふと次のようにおっしゃいました。「今回のプロジェクトで創業者のこれまでの意思決定をたどる中で、なぜ、あそこまでこだわって、あの取り組みをしたのかあらためてわかりました。私の代でも復活させたいと思いました。今にあった形、やり方で」と。昨今、企業の大小を問わず、事業の社会的な企業の存在意義や、理念・ビジョン・ミッションを唱え、挑戦するビジョナリーな企業が増えています。しかし、変化が著しくスピードが求められ、その原点に立ち返りづらい今、ともに確認しあう道しるべとなるガイドブックが求められているのでしょう。

 あなたの会社ならではの「ビジョナリーブック」はありますか?

 ※「ビジョナリーカンパニー~時代を超える生存の原則~」ジェームズ・C.コリンズ ジェリー・I.ポラス(著)(日経BP社)

 

この記事の執筆者

藤掛 里花

チーフコンサルタント
専門分野:企業文化・組織変革