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リーダーのためのブログ

2018.07.25

協創の現場から人材戦略・人材開発

人材育成施策の振り返り方

 7月~8月という時期は、期初に定めた研修等の教育施策も一段落し、「上期の総括~下期そして来期に向けた企画を考えないと」と思われている人事・教育担当者の方も多い頃合いだと思います。受講者のアンケートや講師の方の報告等々から、個別の研修プログラムのねらいに基づき、対象者の学習効果や職場での発揮度などを確認することはもちろん大切ですが、それだけで良いでしょうか。

  行動科学の世界では、人が新たな行動を起こす要因は「個人×環境」の総和だといわれています。研修などによって個人に刺激を与えて、効果性を検証するだけでは少し不足しているのです。研修を受講した本人達が働く職場の環境はどのような状態なのか、どのような変化が職場に必要とされているのか、こういう部分もデザインしなければ本当の意味での学習効果は出ないといわれています。

 最近、あるお客さまで「お客さまの心理を意識した営業活動を強化する」ということを狙ったワンデイの研修を実施しました。受講生の学びは大きかったのですが、その後教育施策の担当者との会話で「研修時の様子から見ると、受講生のレベル感が、現場のマネジャー層の認識と乖離があるんです」と嘆いておられました。そのため、「研修を受けた本人たちは勢いよく職場に飛び出したものの、職場の上司のマネジメントが変わらない限りは大きな変化は出ないのではないだろうか…」と懸念されていました。

 研修は対象層を特定し、新たなインプットによって行動変容を生み出すきっかけにはなりますが、それを強化する環境への施策は別物として捉えられがちです。環境というのも会社の方針・戦略の影響、上位者のマネジメントの影響、組織の雰囲気・風土の影響、など多くの要素がありますし、職場環境の状態についての把握が曖昧な状態で施策を打っているのでは、中々狙った成果が出ないということになりかねません。

 教育施策において個別のプログラムの振り返りも大切ですが、自分たちの組織の環境についての振り返りや組織の環境に左右される人材開発力についての現状を知ることも、振り返りの一つの観点として重視しなければならないと思うのです。

 

この記事の執筆者

渡邉 健

コンサルタント
専門分野:人材育成・組織開発